クロスリング方式はフォノカートリッジの欠点を解消した
左右のコイルの中心に明確な支点を置いたことで、今までの大きな歪みの原因を全て解消することが出来たのです。レコードの再生能力は飛躍的に向上しました。
従来のフォノカートリッジに大きな問題が二つ存在していた。
従来のカートリッジは針先の付いたカンチレバーに四角の鉄芯を取り付け、その鉄芯に井桁状にコイルを巻き鉄芯の中心からワイヤーを出し、小さな穴のあいたゴムダンパーを通してヨークに引き当てていました。また、四角の鉄芯の替わりに十字型の鉄芯にしたものもあります。
それらの方法では支点がコイルから離れる為、鉄の芯を使用した磁気誘導型の発電方式になっています。また、磁界の中に置かれる鉄片は磁石に強く引きつけられ、自由で正確な動きができるとは考えられません。また、動作点はワイヤーが曲がる部分ですので曖昧です。曖昧な支点はチップの動きを正確にコイルに伝えることは出来ません。他にも鉄芯に左右の2つのコイルを巻くとトランス的な伝達現象が考えられます。それは同相となる横の動きや逆送となる縦の動きに現われ、横の動きでは増強され、縦の動きでは打ち消しあう可能性があります。このようなことは実験するまでもなく、構造を設計する段階で予測できるものです。
そしてクロスリング方式が完成しました
クロスリング方式は従来のフォノカートリッジの大きな欠点を解消しました。方式名のごとく左右のコイルをクロスさせることにより、左右のコイルの中心点を一致させ、その中心点を明確な一点支持の支点とすることにより正確な発電を可能にしています。また、コイルの中心点に支点を置いたことで鉄心の必要性が無くなり、強磁界の中でも磁力の影響が無く自由で正確な動作を可能にしました。鉄心を使用していませんのでトランス的な伝達現象もありません。
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